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晩秋の遠山郷 青崩峠
(一日目)
        

2006年11月3日 実走
自転車:Bianchi Minivelo9
   

今年は遠山郷に行く機会がなかなかありませんでしたが、ようやく晩秋の遠山郷に行って
きました。そして日本の峠を語る上で外すことができない青崩峠、また忘れ去られようと
しているであろう小川路峠を目指します。ほとんど担ぎになると思われるため、ミニベロに
肩パッドを付けて準備万端! ただ小川路峠の資料がほとんど無いため現地での資料
集めが必要になります。
まず一日目は青崩峠に向います。
    
 11月3日 走行距離31.7km
                                    (作成2006/11/08)
遠州(静岡県)と信州(長野県)の県境に位置する秋葉街道最大の難所と知られている所です。
日本のトンネル技術を持ってしても撤退を余儀なくされたその断崖は、青みがかった二つの
断層がぶつかり合う中央構造線上にあります。そのため国道152号線は今も青崩峠を境に
分断されたままとなっているのです。もう一つ上村と大鹿村の境も分断されており、そちらは
地蔵峠を経由するルートになっています。
今回のルートとしては、飯田市(旧南信濃村)〜青崩峠〜水窪を経由して兵越峠を超えて戻る
ルートとします。
   
   
飯田市(旧南信濃村)にある道の駅「遠山郷」を
ベースして周回コースを走ることとします。
出発が遅れたため、道の駅に着いたのが8:30
となり9:00スタートになってしまいました。
日が短くなってきているので周回コースは無理
かも!?
まずは国道152号線を静岡県方面に向けて
走ります。
【標高405m】
   
諏訪神社や水神・道祖神などの石碑が見えたら、道は左手に曲り小嵐川沿いを進んできます。
更に梶谷川との合流点を過ぎたあたりで、梁の木島番所の案内板を見付けたので橋を渡って
小さな集落を抜けて行きます。
   
梁の木島番所とは、遠山土佐守景直が徳川
家康の命を受け、豊臣方の落人を取り締まる
ために設けたのが始まりで、後に許可の無い
材木の搬送を取り締まっていたそうです。
現在でも遠山氏ゆかりの方の居宅になって
います。
   
梁の木島番所の前に架かる釣り橋を渡り、少し
ばかり担いで行くと国道に出られるとの情報でし
たが、残念ながら現在吊り橋は老朽化のため
全面通行止めになっていました。
来た道を戻り、国道152号線に戻ります。
   
それにしても良い天気! 11月とは思えないような気温のため暑い暑い!
途中でウィンドブレーカを脱いで長袖ジャージ一枚とします。
快調に国道を進みそろそろ坂がきつくなり始めたころ、青崩峠と兵越峠の分岐に到着です。
   
ヘアピンをそのまま進めば兵越峠、橋を渡って
進むのが青崩峠への道になります。
   
道路の案内板には青崩峠方面”×”
当たり前ですが、行き止まりなのですから。
   
分岐から少し入った所に民宿「島畑」との分岐が
あります。国道は左上、民宿が右下です。
ここで問題なのが旧秋葉街道を忠実にトレース
する必要があるのか?、実は国道152号線は
旧秋葉街道とは少しルートが異なるため、実際
の街道筋は民宿の方に下りて庭を通るルートに
なるのです。
   
あまり忠実にトレースする必要も無いし、この先
凄いところに入り込んでしまうので、国道を素直
に走ることにしました。
一軒の廃屋があります。住まなくなってかなりの
月日が経っているようですが、倉庫代わりとして
使っているようにも見えました。寂しさを感じる
風景に引かれて一枚。
   
   
途中、秋葉街道入口、秋葉街道出口の案内板
が立っていますが、下を覗き込むと確かに道ら
しきものがあります。勇気が無いのでとても入り
込めるようなところではありませんでした。
   
国道は荒れて、アスファルトは削れ放題になって
います。
いよいよ道も未舗装路区間に入っていきます。
山が深くなって行く感じがたまらないです。
昨日の雨のためぬかるみ、水溜りがあちこちに
あるため泥除け外してきたことを少々後悔も
します。新しい自動車のタイヤ跡があるので
最近人が入っているようですが・・・。
   
青崩峠、熊伏山への登山口に到着しました。
道が続いているのでもう少し奥に入ってみると
自動車が10台くらい止まっています。熊伏山へ
の登山者のようです。でも人が入っているという
ことは、熊の出没も無さそうなので割と安心して
入れるというものです。
【標高928m】
   
駐車場の更に奥には最近出来たであろう大きな砂防ダムが建っていました。
この自然に似合わない建造物にガッカリです。
   
登山口入口はいきなりの階段なので担ぎからの
スタートになります。100mほど上ると人が一人
通れる程度の割と平坦な細い道になりますが
さすがに自転車を押すと斜面に落っことしそうに
なるので、相変わらず担ぎの連続です。
   
このために肩パッドを手に入れたのですが、
やはりそれでも肩にくる負担は大きいです。
途中休み休み進んで行くことにして、落葉の始
まった景色を楽しみながら、落ち葉のクッション
を味わって行きます。
   
ふと小さな社が見えました。
青崩神社に到着です。鳥居の前で休止して
挨拶します。
   
小さな神社ですが、青崩峠に上る方の安全を
いつも見守ってくれています。
   
   
標高が上がるに従い、立ち並ぶ木の種類も
変わってくるようです。落ち葉の葉の形が違うの
ですぐ分かります。ガサガサと落ち葉を踏みしめ
ながら一歩ずつ行くとひっそりと東屋が見えて
きました。柱に屋根、ベンチも苔むしてとても
座れる状態では無いところが絵になるような感じ
がします。
更に落ち葉の絨毯を踏みしめながら進んでいく
と最後の急坂に入っていきます。
二人連れの男性と、一人の男性に出会いました。景色を眺めている人、写真に夢中な人がおり
挨拶して通り過ぎて行くとパンフレットで見たことのある石仏群が迎えてくれます。
   
青崩峠までもう少し、期待が高まる一瞬です。
足元が滑りそうになりながらもしっかりと踏みし
めながら上っていくと・・・。
【標高1082m】
   
えっ! ランドナーが置いてある!?
私の他にも峠好きの方がいらっしゃるようです。
後日メールを頂きました。HPを運営している方と
よりによってこの青崩峠で出会うとは!
tfi72さんのHP A lock without a key
   
先ほどの二人連れの男性が上ってきましたが、お弁当を広げて食べ始めたので違います。
もう一人のカメラに夢中の男性が戻ってきて自転車のバッグを広げていらっしゃるので、この方の
自転車のようです。声を掛けさせていただいて少しお話させてもらいました。
東京から輪行してきたとのことで、今日は平岡まで走るそうです。私と同じく飯田市方面から上り
水窪方面に降りて行くとのことなので、ここで分かれます。
   

峠の碑には「青崩峠 標高1082米」と書かれています。反対側には新しく作られた青崩峠の
石碑も立っていました。
青崩峠は秋葉街道の難所であり、現在ももろい岩盤は時折ころころと崩れているのが分かる
ところなのです。
その昔から秋葉街道は海の幸や山の幸を馬や人により運ばれた「塩の道」として有名です。
武田信玄の軍勢が通り、近年では少女達が製糸工女として他郷で働くために超した峠であり
多くの歴史を刻んでいます。
   

峠から少し下りたところに信州側に視界が開けた所があり、見事なV字を作り出しています。
紅葉した色とりどりの木々と相俟って素晴らしい景色を作り出していました。
   
   
その背後には、断層のぶつかり合いを見ること
ができる露頭が顔を出しています。
中央構造線のダイナミックな力を感じることが
できる場所です。
時折ころころと石が転がるような感じがして
地球は生きているんだなと感じさせてくれます。
   
当初の予定では水窪方面を経由して兵越峠を戻るつもりでしたが、すでに12時を回っており
これからの道中と兵越峠を超えることを考えると、道の駅に戻るのには時間が遅くなりそうです。
基本的に明るいうちに走り終わるのが私のツーリングの基本であり、ましてや峠などでは暗くなる
のが早いため、ここは無理せず来た道を引き返すこととしました。
   
   
峠から降りて登山口入口に戻ったところで、
砂防ダムに行ってみました。
ちょうどコンクリートの上が座り易かったので
一息入れることにします。
小形バーナーでお湯を沸かして紅茶を飲み、
峠へ上ったのだという達成感にひたりながら
ゆったりとした時間を過ごします。
もし水窪方面に進んでいたらこのようなゆったり
した時間を得ることは無かったでしょう。
自分なりに良い選択だったと思います。
来た道をのんびりとブレーキかけながら降りて行きますが、それでも30km/h近いスピードが
出てしまいます。のんびり下りれば良いので相変わらずフルブレーキングでした。
案外早く下りてきたので、和田宿の街並みをぶらぶらと散策することにしました。
   
和田宿にも歴史を感じさせる造りの建物が残り
ますが、庶民の宿との印象が強く残ります。
何となく印象深いものは、豆腐の大黒屋の通り
でしょうか。看板とパフーっという昔ながらの
ラッパが懐かしさを感じさせてくれます。
   
信南交通のバス舎。隣にはバスの倉庫もあり
ます。バス舎の裏手には和田城が立派な造りで
建っています。
   
   
和田城の隣に位置する龍渕寺は遠山一族の
菩提寺であり杉の木の巨木がそびえています。
最近テレビで放送されたようですが、龍渕寺の
脇から流れる「観音霊水」は400年以上前から
こんこんと涌き出る美味しい水として評判だそう
です。カルシウムとマグネシウムを多く含む硬水
のため甘さを感じます。
ただ紅茶好きの私にはちょっと合わないかな?
そんな印象でした。
最後に和田宿を眺めてみようと思い、山の中腹
に見えるガードレールを目指して上ってみると
すごい光景です。ほとんど45度の傾斜にお茶
や農作物を作っています。
   
下から見上げたガードレールに到着したので
振り返って和田の街を眺めてみると、遠山川が
作り出した平坦な地形を活用した街でした。
ここまで上ると真正面に見える盛平山が低く
見えます。
   
遠山郷と言えば、有名な霜月祭りがあります。宮崎駿監督の代表作「千と千尋の神隠し」の舞台
となる不思議な世界は、ここ遠山郷の霜月祭りの影響が強いそうです。あの不思議空間への
入口となるトンネルも、実はあの場所なのかもしれません。
      

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