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ひとり自転車の中山道 洗馬宿〜藪原宿
        

2007年10月7日 実走
自転車:Bianchi Minivelo9
   

ひとり自転車の中山道に久しぶりに行くこととした。今回はJR薮原駅からJR塩尻駅まで
輪行の旅、塩尻駅前からスタートして洗馬宿〜本山宿〜贄川宿〜奈良井宿、そして鳥居峠
を超えて薮原宿までの木曽路の北端を走破した。これで中山道の木曽路と呼ばれる部分を
走り終えて一つの区切りとなり、少々感慨深いものがある。
木曽路は山の中と言われるように、「是より南 木曽路」の碑からの道中は確かに山の中
だった。
    
 走行距離 34km
 
GPS軌跡データはこちらへ
                                    (作成2007/10/08)
それは突然の思い付き、夜中の12時にいきなり中山道に行こうと思い、以前から準備していた
地図を片手に真夜中に飛び出して行った。久しぶりにこんな時間に飛び出して向う先はJR薮原
駅前駐車場である。以前、木祖村役場に確認したら駅前駐車場は無料で使えるとのありがたい
返事をもらっていたので安心して使わせてもらうこととする。
まだ夜が明けぬ4時30分に到着して1時間ほど仮眠したら、寒さで震えそうなほどの外気温度は
なんと10℃! ウインドブレーカだけじゃ寒そうな気もしたが大急ぎで準備して6時38分のワン
マン車両で約40分に飛び乗り、今日の旅が始まった。
   
JR塩尻駅までは半分寝た状態のまま無事に到着、まだ人気の少ない駅構内を抜けて西口から
外に出ると、寒さも少しばかりおさまりサイクリングには丁度良い気候になってきた。
駅前で自転車を組み立ててコースの確認、駅前の塩尻産ワインの看板にある地図を確認して
まずは中山道に向い平出一里塚を目指す。
    
   
中山道に出ると周りは急に開けて遠くまで見渡
せる景色が広がっているため、一目で大きな
松を見つけることができる。近づくと、そこは
両脇に残る平手一里塚である。日本橋から数え
て59番目、塩尻市内に残る一里塚としては
両側が現存する唯一の一里塚である。
写真は左側のものだが、道路右にある塚は
民家の間を入り込むと見えてくる。こちらの方が
立派な松の木がその枝振りを誇示しているよう
だった。
近くには平出遺跡が整備されて、綺麗な公園になっている。また葡萄畑にはたわわに実を付けた
ブドウが実っていた。国道19号を超えると洗馬宿への案内板がある。昔は今みたいに無数の道
がないだろうからあまり迷うことも無いかもしれないが、今は道がありすぎてどこが中山道なのか
見分けが付けにくいものだ。そのためこのような案内板があると安心して先に進める。
下り坂の途中、肱懸松がある。赤松の名木らしいが、多分、何代目かの松なのであろう、少々
風格がなかったように思う。
    
   
坂道を下りきったところで左からの道と合流す
る。ここが善光寺街道との追分で道標がある。
写真は降り返る撮ったもので、右が今来た中山
道、左が善光寺街道である。
このあたりに「あふたの清水」があるはずなの
だがなかなか見つからなかった。近くに50円の
自動販売機があったので1本買っておく。
横断歩道の脇で交通整理をしていた男性に道
を聞いてみると、ちょうど男性が立っていた後ろ
の小道から入るとひっそりとした場所に清水は
あった。
あふたの清水から先は見事な田園風景が広がっており、しばし景色を眺めつつ、清水の水で口
を潤した。そろそろ先を急ごう、洗馬宿は上り坂になっており昔の風情はあまり残っていない。
    
広場の横に洗馬宿の碑がある。この場所には
高札場があったところである。
   
先に進むと牧野一里塚がある。あまり整備され
ていないようで草木が生い茂っていた。
   
右手に山を見ながら静かな田園風景を眺めつつ、ゆったりとした気持ちで先に進む。稲の刈り取
りも進み、農家の方の姿がちらほら見かけるが、蕎麦畑はまだのようだった。
   
一度、国道19号に出て、すぐに脇道に入り込むと本山宿の案内板が目に付く。いよいよ信濃の
最後の宿場、本山宿に入る。
   
本山宿は静かななところで通りの右手に古い
家並みが残っていた。山がすぐそばまで迫り、
これから山の中に入って行く、そんな気持ちに
させてくれる雰囲気がある。
   
本山宿の碑の前でしばし休憩、日が差してきて
朝の様な寒さは感じず、日中はまた暑くなりそう
な感じである。それでもウインドブレーカを脱ぐ
のには早そうだ。
   
本山宿を抜けると、いよいよ左右から山が迫ってくる。奈良井川の横をJR中央線が通り、そして
国道19号だけが通るスペースが空いているだけだ。
JR中央線の踏み切りを渡る時、気になるJRの看板が目に入った。看板には踏み切りの名称が
書いてあるのだが「第2仲仙道 踏切」と書かれていた。このHPでは中山道と書いているが、
一般的には中山道、中仙道の二つが使われると思う。しかしここでは「中」ではなく「仲」の文字が
使われていたのが気になった。
   
   
道端に大きな道祖神がある。やはり長野県には
多くの道祖神が残っている。昨年の街道てくてく
旅 中山道編でも勅使川原郁恵ちゃんが歩いた
中で多くの道祖神と出会っているように、今日も
道祖神を沢山見た。
   
そろそろ木曽路は山の中と唄われる「是より南
木曽路」の碑を目指して、たまには快走しよう!
   
   
JR日出塩駅を超えて国道19号に入るとすぐに
「是より南 木曽路」の碑が見えてきた。さてここ
から山の中に入っていくのがよく分かる。
ところがである、管理人はここから贄川駅まで
肝心の地図を見ず勝手気ままに走ったため
中山道の醍醐味の個所を通り過ぎてしまった。
悔いが残る道中である。いつの日かチャンスが
あれば歩きでもいいから踏破したいものだ。
   
やっとの思いで2009年 34レポで行って来ま
した。(サイクルレポート2009年 34参照)
   
若神子一里塚が上の方に見えてきた。まだこの
時も肝心の地図をことは忘れていた。それでも
国道19号を走るのは嫌だったので自然歩道に
沿って走ったりしていたのでJR贄川駅までの
後半部分は半分くらいは中山道に沿っていたの
では?と思うのだが、草道は避けていたので
やはり肝心の部分は楽しめていないようだ。
それでも集落の合間を抜ける道は風情があり
水場が綺麗に整備されているのが印象的
だった。
無事にJR贄川駅の到着してトイレ休憩、ふと思い出して肝心の地図を見てみると・・・、ここで
初めて後悔の念が。引き返す気にもなれず気を取り直してスタートする。
   
   
国道19号から反れて橋の上を通りかかったら
振り子車両が通り過ぎていった。
少し下ったところにある贄川関所がある。復元
されたものではあるがその立派な柱など往時の
雰囲気を出しているようだ。
贄川宿にも往時の雰囲気を残すものはあまり
ない。狭い民家の間の道を抜けて陸橋を渡り
国道19号へと出る。
さすがに暑くなってきたのウインドブレーカを脱ぐ
こととした。
   
山の間を国道だけが通っている、鉄道はトンネルの中だ。さて歩行者、自転車はどこを通るか?
自転車は軽車両だから車道を通れば良いのだろうが、小心者の管理人はとてもこの場所を走る
根性は無い。歩いていくから歩行者の人に混ぜて欲しい気分だ。
そしたら歩行者用の道があった。この地図は素晴らしい、これを作った人に感謝である。
そう言えば押込一里塚跡碑を見逃した、失敗!
   
その道とはこれである。ちょっと草が茂っている
がある程度は整備されているようだった。
こんな道を自転車押して通っていると、下を走る
車から皆が見上げているのが分かる。
100mほど進むと山に中に入る。トンボが自転
車に止まっている、のどかだ。
   
今回の旅で初めての山の中だから楽しくて仕方
がない。ところがあっという間にその楽しみは終
わったかのように思えたが静かな雰囲気の集落
のなかを通る、気分の良い道が続いて行く。
途中、真っ黒の犬に吠えられるも近づくと隠れて
しまう、また離れると吠え出していた。
   
国道19号に合流してしばし走る。セブンイレブンが見えてきたら右手の道に入っていく。そして
道が分からなくなり諏訪神社を超えた辺りで合流することとなった。短い区間だったので今度は
探しに行くが見つからず、途中の公民館付近から入り込み諏訪神社への道のりだけは走破する
ことができた。
   
   
諏訪神社への上り坂である。誰もいないようだ
が朝から近所の方々があちこちで碑の清掃、
整備をしていた。挨拶して先へと進む。
神社の階段は自転車を担いで降りていく。
  
平沢に入ると漆塗りの店が建ち並び圧倒される
ほど店が多い。漆器の町 平沢と言われる事だ
けのことはあるが、これほど店が多いとどこで
買ったら良いのやら迷ってしまいそうだ。
   
   
街の外れに道標がある。可愛らしいまん丸の
道標だった。
この先、中山道は国道19号と同じだが奈良井
川堤防の道を進む事とした。再度国道19号に
合流したら奈良井宿へはもう少しだ。
奈良井川を渡り、JR踏切を超えたらいよいよ
奈良井宿へ近づいていく。JR奈良井駅前は
大勢の観光客で賑わっていた。ここからは
未舗装路ではないが、他の観光客への配慮と
して自転車押していく事とする。
先に木曽の大橋を見に行く。総ヒノキ作りの橋
で下から眺めると芸術的な組み立てに感心して
しまう。
   
奈良井宿へ戻り、すぐに苔むした水場が出迎え
てくれる。そんなに冷たくはないが、夏場ならもっ
と冷たく感じる事だろう。
   
奈良井宿の街並みは、馬籠宿、妻籠宿と同じ
位に有名な宿場である。去年のこの時期に
妻籠宿、馬籠宿を通ったが、人の多さでは妻籠
宿くらいだろうか。このくらいが丁度良いかも
しれない。
   
お決まりの五平餅とおやき(あずき)を買って
早速、五平餅をかぶりつく、おっと写真を忘れ
たので1個団子がないのはご愛嬌ということで!
おやきはこのあとのお楽しみのためリュック
サックへ入れておくこととする。
   
   
奈良井宿の外れには高札場があり、その風格
は素晴らしいものがある。
奈良井宿で蕎麦でも食べて行こうかと思ったも
のの、やはりあそこで食べるのが一番だと思い
直し、上り坂をくねくねと上り始める事とする。
さすがにここから先は人がいない。
   
   
鳥居峠への中山道入口に到着。左は旧国道だ
と思う。中山道は車両通行止めのため本来なら
ば自転車(軽車両)も通行止めである。
都合よく考えれば、押して行けば歩行者になる
だからここからは押し、担ぎで進むこととする。
それより第一、自転車で走れと言われても管理
人にはとても無理なのだから。
上から20名ほどの団体さんが降りてきたので
挨拶して通過した後にいよいよ上り始める!
鳥居峠まで2.01kmと書かれている。
中山道の難所の一つ、鳥居峠。5月には薮原側から鳥居峠らしきところまで往復したが、どうも
峠にたどり着いていないような気がしてならないので今回確かめるのも一つの目的である。
   
階段を上るとすぐに石畳が現れる。新しそうな
石畳だが雰囲気は良い。石畳は足が滑るので
自転車は押して行く、熊鈴をちりんちりんと鳴ら
しながら静かな山に響いていた。
   
石畳が終わり土に変ったら担いでみる。ついで
に写真も撮ってみた(笑)
こんな格好の人を見かけたら、それは管理人な
ので声を掛けないように(汗)
   
道端におじぞうさんがいる、挨拶して通る。
中の茶屋跡が見えてきた、休憩所として残って
いるが中は落書きだらけ。残念でならない。
   
奈良井宿側の旧道は木の橋を何ヶ所も渡り
急坂が続く、自転車を押したり担いだりしながら
あえぎあえぎ上って行く。
   
男性一人、夫婦一組と出会う、シーズンなので出会う人も多かろうと思う。
前方が明るくなり旧国道との合流点に到着した。バイクの男性が旧国道を上ってきたところ
だった。旧国道側は通行止めのゲートがあったがどうやら通れるようである。
   
すぐ左手に中利の茶屋跡にある休憩所がある。
すぐ横に水場があり汗だくの頭を冷やす。
夫婦一組と会い挨拶して一緒に景色を眺める。
   
奈良井側の展望が開けていたが、霞んでいて
少々残念な景色だった、それでも感動の一瞬
である。
   
そしたらなんと馬が来た! 中山道で馬を見るとは思いもしなかったのでビックリした。
親子三人の家族連れの方と話していたが、この馬に乗った男性とはここで会ったようだった。
   

家族と一緒に少し散策してまた戻って来た。
このあと男性は馬に跨り山に中に走り去って
行ったが、突然、前から馬が走ってきたらきっと
ビックリすることだろう。
管理人がおやきを食べていたら、バイクの若者
はバーナーでお湯を沸かし始めた。しまったこん
な水場があるなら持ってこれば良かった。
少々残念だが仕方が無い。若者に挨拶して先に
進む。
さて先に進むのだが、江戸地代の中山道は中利の茶屋跡から左に反れる道とのことだが、どう
見ても道が無いし通れそうにも無いので、明治地代に開かれた道を進むこととする。
   

道が四つ又に分岐した所に出た。ここが今の鳥居峠なのではないだろうか? 左側にある明治
天皇註所碑がある所に向う道を入って行くと、江戸時代の中山道に出るそうだが、本来はそこが
旧鳥居峠のあった場所なのかもしれない。時間に余裕はあったが、先に進むこととした。
   
だが今思えばやはり行ってみるべきだった。いつものことだが後から悔いの残ることばかりだ。
   
   
薮原側に進むとすぐに熊除けの鐘がある。
からんころんと鳴らして先に進む。5月に来た
時の道までは近いはずだ。
200mも歩かないうちにもう一つの熊除けの鐘
が見えた、更に進むと栃の木が群生しており
5月に見た場所にたどり着いた。
これより先は5月に見たことのあるところなので
勝手知ったる道中である。
御岳遥拝所の鳥居が見えてきた。この辺りに
江戸地代の中山道の分岐があったらしい。
   
   
ここから下り坂が始まる、急坂を歩き白樺林を
通り広場に出たら、若者30人くらいの団体が
これから出発するのだろうか、代表者の話しを
聞いている所だった。かたわらにある義仲硯水
で手を洗いさっぱりとした。
どこで昼を食べようかと見まわすが、ベンチには
すでに人が座っている、丸山公園にも人が多い
のでもう少し先の広場に行ってみることとした。
一度下って、急坂を上り休憩所に向うと広場には誰もいない、ベンチも空いているのでここで
休憩することとする。近くには休憩所の建物、トイレもあるので都合が良い。
   
   
広場の周りは白樺林が広がっている。
風が吹き、木々がざわめいているようだ。もしや
台風の風かな?
先ほどまでまったくといっていいほど風が吹いて
おらず暑かったが、ここは涼しくて爽やかだ。
お昼のおにぎりとおやつをつまむ、奈良井宿で
蕎麦を食べるのもいいが、こういうエコライフな
食事が大好きだ。ベンチで昼寝も出来るし最高
の時間を過ごす。
1時間くらい経ったろうか、少々寒くなってきたので出発することとする。勝手知ったる道ではある
が下り坂は上りとは違った力を使うものだ。最後の熊除けの鐘まで降り立ったところで旧国道と
合流するがそのまま石畳の道を通って中山道を進む。5月に来た時は石畳は作り立てそのまま
であったが、今は砂利や土が流れて割と良い感じになってきたようだった。
舗装路に出たら一気に下っていき車道に突き当たる。
   
今来た道を振り返ると、青空が広がっていたの
にはビックリだった。あの奈良井の景色を眺め
ている時に晴れていたらと悔しがる。
すぐに原町水場があったので少し休憩する。
昔の旅人は鳥居峠を超えてここで口を潤した
ことだろう。
   
街中を通りどんどんと下って行く。途中に飛騨街道分岐点の碑があった、野麦峠を超えて高山に
向う道である。
   
   
薮原宿に着くとやはりお六櫛が有名だろう。
あちこちに櫛の店がある。先ほど鳥居峠で見か
けた家族連れと出会った。小学生くらいの男の
子はどんな思いでこの道を歩いているのだろう
か? 
薮原駅に向う前にSLと一里塚跡碑を見てきた。
5ヶ月ぶりの再会である。あの時は朝一番だっ
たが今度はお昼過ぎ、またいつか訪れることが
あるだろう。
   
薮原駅前に到着して今日の自転車旅は終了。
まだ14時過ぎだった、もう少しゆっくりしてきて
も良かったかもしれないが、家までの道中もある
のでこれにてお終い。
   
ところどころ飛ばしてしまったりしたところもあったが、木曽路と呼ばれる行程を走破することが
出来た。これで一つの区切り、また新しい気持ちで今度はどこに行こうか。