粕尾川での緊張 緊張が走る!


茨城に出向中のある穏やかな晴れた日
隣の栃木を流れる思川上流の粕尾川に釣りに行った。

梅雨前の渇水時期であったが、思ったより河川の水量は多く魚の姿も
ちらほらと見える状況であった。
公園下のプールから始めたが、人がけっこう入っていたため(下手とも言うが)
反応はまったくなかった。
今日はあまり行かない上流に行ってみるかとじゃぶじゃぶ川を歩いていたら
堰堤に出くわしてしまった。
これはちょっと登れないな〜っと諦めかけたその時、端っこのほうを駆け上がる
動物の姿を発見した。
もしやと思いその場所に行ってみると、なんとか人間さんも上がれるような場所
を発見した。
「でもこれは動物の道かな?」人間が通っていいのか迷ったが、1度覗いて
見ようと思い興味本位で上がってみたら・・・ おう! 素晴らしい渓相!
あまり人が入らないみたいなのでゴミもなく綺麗な場所だったけど、一振りだけ
と思い竿を振ってみた。しかし何の反応もない。
どうも浅いみたいなので膝上までウェーディングしていったら、少し向こう側で
ライズを発見!
そのまま上流に歩いて行き竿を振ったら、一投でピシッっと出た。ヤマメだ!

その時!
ふと上流から流れてくる物体を発見!

それはくねくねとしながらこちらの岸に向って泳いでくる、へびであった。
へびは上流からこちら岸に向ってくるため、流れながら近寄ってくるではないか!
このままでは、ちょーど今立っている場所でぶるかる可能性が大である。
逃げようと思ったが、あまりじゃぶじゃぶするとかえってヘビ君に見つかってしまう
と思いじっとしていたが、近づくにつれて、そのヘビ君の模様がしまへびとは明ら
かに違い、マムシっぽい模様である! それに目にはサングラスをかけたような
模様が見えるではないか!

やばい! やばい!! やばい!!!

緊張の度合いは徐々に高まり、身動き出来なくなってしまったため、早く通過
しておくれと願うだけであった。
そういえば、竿先にかかったヤマメがまだあばれているではないか!
こういう時はとっとと外れてしまえばいいのに、こういう時に限って外れないもの
である。

そうだ、そんなことはこの際どうでもいい。それよりヘビ君はどうなったのか!
横目でちらっと見てみると、5m先まで近づいてきた。
このまま気がつかずに通り過ぎておくれと祈るばかりであるが・・・
っとその時、ヘビ君の動きがとまりこちらを見ているではないか!
もしや気がついたのか?
もうすでに2mまで来た。あぁ〜万事休すか?
っといきなり泳ぎ出したぞ! ヘビ君も慌てたのか岸に向ってスピードアップ!
あーーー! ぶつかる! その時、ヘビ君のしっぽらしき物体が、太もも付近を
するっとなでていく感触があり、体は

ブルッ!

と震えた。
そのまま、へび君は通過していったが、固まった体はしばしの間、身動きが出来
ない状態であった。
はたして、あれは、ほんとにマムシだったのであろうか?
今となっては定かではない!

それから粕尾川には何度か釣りに行っているが、二度とあの場所には
近づいた事はない!